教材研究メモ:外部性と公共財
「政治・経済」の授業をしていて、外部性と公共財の部分がうまくいかなかったので、改善のためのメモ。
- 外部性
売買取引を経ずに、ある生産活動が他者へ与える影響
ex)花粉症…スギ農家による生産活動が、花粉症患者に影響を与えている(が、売買取引は経ていない)
*ピグー税:公害・環境破壊などによる被害(←企業が外部の住民に負担させていた)を、企業に支払わせる
- 公共財
非競合的かつ非排除的な財 ex)国防サービス・一般道路
*競合的:複数の人々が同時に利用できない
排除的:拠出に貢献した特定のメンバーしか利用できない
非競合的:同時に利用できる
非排除的:あり方にいくつかパターンがある
1)物理的な問題=国防サービスの受益は物理的に排除できない
2)社会的な問題=「生命身体の安全」(国防)、「移動の自由」(一般道路)は基本的な権利→社会的に排除すべきでない
3)経済的な問題=排除しようとするとコストがかかる(一般道路…監視カメラやゲートの設置など、コストが見合わない)
cf.コモンプール財:競合的だが非排除的 ex)公海の漁場
クラブ財:非競合的だが排除的
ex)高速道路←提供されるサービスの内容は「移動の自由」が保障するものを超えている=社会的な問題は発生しない
では、公共財の自発的供給はなされるか?→ゲーム理論で考えるに、なされない。
cf.フリーライドの発生
*これについては、「お供え物ゲーム」*1で実感してもらうとよいか。
この説明は坂井豊貴『ミクロ経済学入門の入門』岩波新書, 2017を参照した。
しかし、この本ではだいたいゲーム理論で説明している。これは新科目「公共」でも大いに使える考え方であるように思う。

平成30年版 学習指導要領改訂のポイント 高等学校 地理歴史・公民
- 作者:原田 智仁
- 発売日: 2019/03/14
- メディア: 単行本