『ハーバードの人生が変わる東洋哲学』

ハーバードの人生が変わる東洋哲学: 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者:マイケル ピュエット,クリスティーン グロス=ロー
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/06/19
- メディア: 新書
孔子と孟子の思想はどうも説教くさいな、というのが正直な印象だった。
そういう気持ちの乗らなさは敏感に伝わるもので、「倫理」の授業で扱ってもいまいち盛り上がらなかった。
しかし、この本を読むとだいぶ印象が変わる。孔子の思想も孟子の思想も、「人生をこう変えるんだ!」という熱い思いがあることがわかる。
中国思想は、西洋思想のような壮大な問い(わたしたちに自由意志はあるか、とか、道徳とは何か、とか…)ではなく、「きみは人生を日々どう生きているか」を問う。
孔子の思想のキーワードの一つに「礼」があるが、この礼は、「かのように」ふるまうことである。そのことで、いつもの自分の習癖とちがった振る舞いをすることになる。つまり、変化が生まれる。その変化の中に、今までの自分とはちがう、ありのままの自分を見つけることができる。
たとえばこんな具合で、中国思想の単元の「教育内容」がいろいろと生み出せそうな本である。
おもしろかった。