借金と牛丼
最近は教材研究の一環で、模試を解いている。
「現代社会」の試行調査でも出てきた、裁判の判決文を使った問題。解説を読んでもよくわからず。難しい。
頭をひねる問題の多い「現代社会」よりも、ストレートに答えられる問題の多い「政治・経済」「倫理」の方が点数が取りやすいかもしれない。
こればっかりは、生徒に聞いてみないとわからないが…
模試を解いていて、インフレになると通貨価値が下がることの解説で、こんなのがあった。
「1万円の借金を返すのに、牛丼1杯250円のときは40杯分我慢する必要があるが、1杯500円になれば20杯分我慢すればよくなる。」
モノと価格の対比でわかりやすいような、いまいちピンと来ないような。
こういう説明、私は初めてみたのだが「業界」では定番なのだろうか。
サウナの効用
医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?
- 作者:加藤 容崇
- 発売日: 2020/03/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
半年前ぐらいから、サウナが好きになった。
もともと温泉が好きで、わざわざ一人旅で出かけていくぐらいなのだが、あるホテル(温泉も素晴らしい)に宿泊した際、フィンランド式サウナに出会ったのだった。
「苦しくない」サウナに、驚いた。
苦手だった水風呂もこの半年で克服し、近所の温泉銭湯では1時間半ぐらい過ごしてしまう。入浴するのと、明らかな違いがあるのだ。
一体なぜか、と疑問に思っていたところをすべて解消してくれたのがこの本だ。
一例を上げると、42℃ある熱めのお湯に浸かったとする。私は心の中で「これでHSP(ヒートショックプロテイン)が活性化して健康にもいいだろう」などと呑気に1分ぐらい浸かって出るのだが、実はお湯に浸かってHSPを活性化させるには20分ぐらい浸からないといけない。
それがサウナなら、サウナ→水風呂→外気浴を2セットぐらいやれば活性化するという。
お風呂でも疲れは取れるが、そりゃあ疲れの取れ方が違うわけだ。
特に「脳疲労が取れる」というのが興味深くて、普段のボーッとしていてもあれこれ考えてしまうモード(DMN:デフォルトモードネットワーク)が、サウナに入ることで強制シャットダウンされるのだという。
私のようなADHD人間にはピッタリではないか…(笑)
こんな状況なのでしばらく行けていないが、行きたくてしょうがない。
授業からの退出
授業動画の再生回数を見ると、まったく見てない、ということはないようだ。むしろ受講人数に比べて再生回数が多い動画がほとんどだ。
きっと、途中で止めて続きを後で見よう、なんてこともやっているのだろう。
しかし、ここにオンデマンド型授業と「生授業」との大きな違いを感じる。
生授業のときに、生徒が「授業を聞くのを一旦やめて…」なんてことはできっこない。教師が授業を進行する以上、生徒はそれに付いていかなければいかない。そういう意味で、授業の場は教師が主導権を握っている。
一方、オンデマンド型授業ではどうか。主導権は受け手、つまり生徒の側にあるのだ。
極端なことを言えば、「これはもう見る価値ないや」と思ったら、その時点で視聴を終えることもできる。
これは、授業という場面において生徒が離脱 exitしやすい*1ということになる。普段の授業では授業アンケートのような発言 voiceするのが関の山だろう。生徒が授業からexitすることは、生徒自身の不利益になる可能性が高い選択肢であるから。果たして、オンデマンド型授業ではいとも簡単にexit可能である。
オンデマンド型授業をやることで、教育という場の権力関係において、教師-生徒の関係性が変容していくかもしれない。「ホメオスタシス」を保ちたい教員は、もしかすると無意識のうちにそれを嗅ぎ取って、オンデマンド型授業をやらない、という人もいるかもしれない…
まぁ、無理にやる必要もないし、いろんなやり方で休校期間の学習を支えられればいい。
*1:以下は、ハーシュマンの『退出・発言・忠誠』からの着想、というか、思いつきである。
黒板を使うパターンで、授業動画を撮る方法
休校が続き、担当している高校3年生の授業は進度を確保したい、ということで授業動画を撮影してみたというお話。
イメージは、○進っぽい授業。
【1.必要物品】
・撮影する道具(自分の場合はiPad。もちろんビデオカメラでも十分)
セッティングはこのような感じ(実際にiPadで撮影)。
教壇を下げて、台の上にiPadを置く。倒れないように支えるものが必要。
【2.流れ】
・最初に板書を書いておく(自分の場合は重要語句を抜いておく→動画の中で穴埋め)
・撮影開始
・あとで編集しやすいよう5秒ぐらい間を置いて「はい、こんにちは」で授業スタート
・「それでは、さようなら」の後も編集しやすいよう5秒ぐらい間を置いて、動画撮影を止める。
【3.編集】
1)撮影した動画を、アプリ「Lecta」に取り込む
Lecta(レクタ)-授業のオンデマンド配信のためのカメラワーク自動編集アプリ-
定点撮影した動画を、まるでカメラマンが撮影したようにカメラワークしてくれる。2回ぐらい試し撮りしたら、ある程度思い通りにカメラワークしてもらう動きを習得できた。
上のような感じで「ヒョッ」と動く感じ。授業やっていると、人の動き?虹彩の動き?かよくわからないが、反応して動いていく。
2)パソコンに動画データを取り込む。
Windowsならフォトの編集機能で動画の頭とお尻をトリミングして終了(←ここで「5秒間静止」が効く笑)
iMovieを使っても良い(というか、Windowsフォトの編集機能だとフェードイン、フェードアウトさえできないのが正直……という感じである)が、なぜか動画のファイルサイズが5倍ぐらいに増える。「パケ死」のリスクを考えるに、おすすめしない。
※Lectaは、カメラワークをやってくれるだけでなく、動画ファイルのサイズ圧縮までやってくれる。チョーすごい。
3)アップする。勤務校ではYouTube。
【4.TIPS】
・がんばって10分以内にしよう。超える場合は分割しよう。
→「一般論として、学生は長い動画を見ません。また、徳島大学の動画コンテンツの視聴履歴から、10分を超えると中断する学生が増えることを確認しています。」
(反転授業支援サイトより)
・一発オッケーで終えるようにしよう。
→自分の授業の至らなさが身に染みてしまい、何度も撮り直したくなるが、それがドツボ。めちゃくちゃ時間がかかってしまい、撮影が億劫になってしまう。普段の授業だって「吐いた唾は飲み込めない」のだから、あきらめが肝心。
・著作権ってどうなの?
→対応の早い教科書会社は、「うちのはどうぞお使いください!」という文書を送ってきている。あとは、文科省に期待。
https://www.mext.go.jp/content/20200501-mxt_kouhou02-000004520_4.pdf
泡沫の夢
月曜日から金曜日まで6時間授業+部活という「日常」を送ってきたが、うたかたの夢であった。
私の勤務する自治体では、来週から5月6日(ゴールデンウイーク最終日)まで臨時休校となった。
3月の臨時休校とちがって、原則として職員以外は校舎内立ち入り禁止である。3年生の担任なので進路面談の要望があればやるのだが、それも玄関先で、とのことだ。
授業日数としては9日分。2単位の授業は4時間分、3単位の授業は6時間分補わなければならない。
今年度の持ち科目「政治・経済」「倫理」は、まだ授業開きとレディネス・チェックぐらいしかできていない。まだ教科書の中身に入っていないので、問題集やプリントをやっておきなさい、という課題も出しづらい。
「教科書を見ながらやっておきなさい」でもよいのだが、「政治・経済」の冒頭の国家権力の話と法の支配の話は丁寧に深めてやっておきたい(ここをきちんと押さえておかないとそのあとの日本国憲法やら統治機構の話につながっていかない)し、「倫理」も初学者の生徒たちに「ただ暗記科目だ」と勘違いされても困る。
なので、授業動画の配信をするつもりだ。
iPadで撮影して編集、youtubeに限定公開でやってみようと思う。生徒の中にはタブレットやPCがなかったり通信料の関係で視聴が難しい人もいるだろうから、それはDVDにデータを焼けばいい。
来週からできるよう、準備を進めている。