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たのしい教師生活

高校教員4年目、地歴公民科担当。「たのしい」教師生活にするべく日々奮闘中。

「原子力発電とその課題」(高校公民・現代社会)

原子力発電とその課題」。

最初は、各政党の参議院選挙公約から原発に対する考え方をまとめる作業をやってもらおうかと思っていたが、各政党の公約を読んでいるいちに、原発って争点のなかではそこまで重点が置かれていないのでは…?と思い、計画変更。

 

教科書を徹底活用して「原子力発電について徹底理解!」を目標に2時間配当。1時間目は次の3つ。

 

1)教科書の内容を読みながら原子力発電のメリット・デメリットを整理する
2)物理の教科書(のコピー)を読みとって原子力発電のしくみを整理する
3)日本の原子力発電所の位置を地図で確認した上で、大間原発をめぐって函館市が国を提訴したことを紹介する

 

1)は、教科書には「福島第一原子力発電所の事故で、国土や海洋が放射性物質によって汚染された」なんてさらっと書いてるところを「福島第一原子力発電所の事故で、何が起きたか。」という問題にする。
そうすると答える過程で生徒は教科書をじっくり読む。「放射性物質って何?」とつぶやく生徒が絶対いる。その疑問に(自分なりに)答える生徒も出てくる。こちらから一方的に説明するのではなく、生徒同士のやりとりが生まれることを期待しての仕掛け。
「『居住制限地域』『帰還困難地域』を小学生にもわかるように言い換えてみよう」という問いが一番好評。「これって頭使うね、先生!」と言われた時は心の中でガッツポーズ。「君たちが頭を使うのが授業なんだよ」と心でつぶやきながら。。。

 

2)は、「高さ1cm、直径1cmの円筒型のペレットで一般家庭の8ヶ月分の電力をまかなえる」という物理の教科書の説明文に生徒が注目してくれることを期待して。原子力については、他教科のなかでも物理の教科書はさすがに詳しく書いてある。それを使わない手はない。

黒板に高さ1cm、直径1cmの円筒を書いてみると「え、そんなに小さいのにたくさん発電できるの?すごいじゃん!」という反応。
「すごいよね。でも…」と言って、2010年度〜2014年度の発電構成のグラフを読み取らせる。2010年度は28.9%だった原子力発電が、2014年度には0%(原発ゼロだったから…)。「えー、全部やめちゃったんだ」という生徒の声。「なんでやめちゃったんだろうね」と言いながら3)へ進む。

 

日本の原子力発電所の位置を地図で確認する。目ざとい子は「全部海側じゃん!」と言う。「いいところに気付いたね」と引き受けつつ、「建設中・・・大間原発」と板書。
大間原発、最近ニュースでよく取り上げられる。理由知ってる?」
「函館が訴えたって聞いた」
そこで新聞記事を投影。さらに、函館市長が「重大な事故が発生したら、福島第一原発の周辺市町村と同じような甚大な被害が発生する」と陳述しているニュース画像を投影。
福島第一原発の周辺市町村と同じような甚大な被害…甚大ってどういう意味?」
「やばい」「ひどい」「とんでもない」
「函館がとんでもない被害にあうってことで訴えていることになるね。じゃあ、福島第一原発の事故でどういうことになったんだろう?」
と問いかけたところでチャイムが鳴る。

次回は、福島第一原発の話とチェルノブイリの話をし、日本政府の主張を紹介し、「さて、どうする?」と問いかける予定。
自分の身近な地域の話とあって、生徒の関心は上々。

去年は自分の知識不足でどう授業していいかわからないまま30分で流してしまった原発のところ、今年は2時間配当でがんばってみよう。

 

福島第一原発廃炉図鑑

福島第一原発廃炉図鑑