安井俊夫『社会科授業づくりの追求』
安井俊夫『社会科授業づくりの追求』(日本書籍, 1994)の第1章・第2章を読む。絶版本だったのでAmazonマーケットプレイスで入手したが、発見がたくさんあって買った甲斐があった。
- 子どもにとっての切実さのない事項を羅列する授業をしても、暗記地獄を生み出し社会科嫌いになっていく。「子どもにどう教えていくか」という視点ばかりで、「子どもがどう学ぶか」という視点がないと、そういう授業づくりになってしまう。*「子どもの学び」という視点からの授業づくり
- 「自分の問題」として受け止めた結果内面化された「自分の知識」をもとに、子どもたちは「歴史的意味論」をくみたてた。*この観点は、石井(2015)のいうところの「仮設生成のプロセス」を子どもたちが体験していることに他ならない。
- しかしながら、反論として「自分なりの」ものの見方・考え方でいいのか、というものが出てくる。安井はそれでいい、というが、これには数多くの反論があるし自分も納得しがたい。*社会科(地歴・公民科)で形成すべき学力とは何なのか、という話につながる。
- 安井は「単元学習」に着目する。そして出てくる「初期社会科」。*「初期社会科」は奈須・江間編著(2015)にも出てくる。コンピテンシー・ベースにもとづく社会科授業づくりを検討する上で、避けて通れないのか…
今求められる学力と学びとは―コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影 (日本標準ブックレツト)
- 作者: 石井英真
- 出版社/メーカー: 日本標準
- 発売日: 2015/01/27
- メディア: 単行本
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